Wharton,中村文則

Wharton のEthan Fromeを一晩で読む。初読のときほどの感動はないけど、やはりこの主人公の人のよい性格の作り方とかはうまいと思う。性格がよくなければこんな葛藤も生まれないのだから。
それと、中村文則の『土の中の子供』。斜め読みしかしていない作家だったのだけど、素晴らしい。特に最初の4,5章までのリズムのよさ。10ページごとくらいの章の区切りで物語を立ち上がらせていく手さばきが非常に鮮やかでよかった。すごく推敲を重ねて書かれているのが手に取るように分かった。冗長な文が全然ない。ほかの本も読んでみたい。基本的に一人称小説の作家のように感じるけど、ほかの小説では広がりもあるんだろうか。
Barbara JohnsonのPersons and Things
は寝る前にちょっとずつ読んでいるのだけど、あまり説得されない。この人は何をかいてもきれいにまとまるというのが、弱点でもあるような。ドイツ語はまだ継続中。ベンヤミン論は、すぐに指導教官から戻ってきて、どうもこれで一章でいいようだ。というわけで、博論の一章目はベンヤミンで仕上がったことになる。なんとも行き当たりばったりな。これを5月はじめのdissertation groupのみなさんと一緒に読むのだけど、そこに僕のドイツ語の先生がいたりして、ちょっとどきどきだ。


ベンヤミン以後戻って作業していた投稿用論文もいい感じで仕上がってきたので、
そろそろ捲土重来という感じで原稿を投げ込もうと思う。