2008-01-01から1年間の記事一覧

今年を振り返って & 未来に向けて

留学4年目にして大きな節目に達した感があり、大きな一年だった。 途中で日本に帰って手術したりとかトラブルもあったけど、 12月にABDになることが出来、そこで大きなサークルを描いて、さまざまなことが ひとつの決着を見たような気がする。 もちろん、こ…

Falling Man、その他

冬休みに入ってから、なんだかとりとめのない生活をしているので、だいぶ間が空いてしまった。 唯一読み通した本が、DeLilloのFalling Man. 9.11を題材にした本だけど、問題になっているのは、出来事そのものというより、文化翻訳の可能性とか、出来事とその…

M-P

わお。ちょうど読んでいたロゴザンスキ論文が臨時増刊号の『現代思想』誌に載っている。はやいなあ。http://www.seidosha.co.jp/index.php?%A5%E1%A5%EB%A5%ED%A1%E1%A5%DD%A5%F3%A5%C6%A5%A3あ、そうか。原文はフランス語だから、僕が読んでいる英語版(Ret…

ABD!

Yay! I finally did it. The interview lasted for one and a half hour. They made very suggestive questions, and I got lots of hints for my project. I am finally liberated. Hilarious! I finally made it, yay!と浮かれているのもつかの間、自分が…

Next!

It seems that I have passed all the written exams. The oral exam is coming on next Tursday, just 48h from now. www. I have been thinking about what I should respond to commitees' questions. But today I noticed that it would be better to ma…

Naomi Klein

In the interview she is talking about the then forthcoming book, Shock Doctrine, which was published this year and became a best-seller. The book is displayed at bookstores' windows in my town. I have not had a chance to read it, but the v…

師走、面接

さて今日で4つの試験を受け終わった。最初の試験こそ、手に汗を握りながら緊張してやったけど、だんだん慣れてきてしまって、今日はちょっと慣れすぎの感があった。適度な緊張を持つというのはなかなか難しい。大コケはしなかったつもりなので、これで通らな…

review, response, repeat, report

カタカナ英語というのは、結構厄介なので、その呪縛から逃れることはなかなか難しい。 たとえば、review, response, repeat, reportのreはみんな /ri/ という発音だが、カタカナではrepeatだけが、原音に近い「リピート」と表記される。reというのはよくある…

揺れる

最近、自分がますますアメリカでの生活に根付いてきているのを感じる。日本での大学教員のひどい労働状況を聞くにつけ、戻っていくのが怖くなる。かといって、苛烈なアメリカの就職戦線を勝ち抜けるような気もしない。アメリカでの就職はたんに業績の量だけ…

嫉妬

たぶん、僕にとってもっとも決定的にかけている感情は「嫉妬」である。それは、たぶん、嫉妬の感情が前提とするようなコミューナルなものを僕が共有していないからだと思う。他者が同じ土俵に立っているという前提抜きに嫉妬など出来ないのだ。そのような態…

泉鏡花 歌行燈

まるで外国の小説を読むかのような言語の抵抗を感じながらの読書。もちろん、同時代の人にとってもすらすらと読めるという代物ではなかったはずだが、しかめっ面しながら読むというものでもないはずだ。漢字の使い方が単に伝統文化の教養の深さを示している…

原民喜

最初は原爆文学としての関心から読み始めたのだけど、描写がうまいので、なかなか飽きない。たとえば、「壊滅の序曲」の二段目。「……その手紙を受取つた男は、二階でぼんやり窓の外を眺めてゐた。すぐ眼の前に隣家の小さな土蔵が見え、屋根近くその白壁の一…

猫の夢

wikipedia 「ねこ」より。 睡眠家ネコの睡眠時間は人間に比べて長い。それは、ネコの語源が「寝子」であるという説があることからも分かる。一般的に、ネコは一日の大半を寝て過ごすと言われている。ネコの飼い方の本(獣医師による解説)などでは、一般に「…

日本のほうへ

この週末は日本文学のほうに舵をきる。 梶井基次郎の「檸檬」。久しぶりに読んだけど、こんなに短かったっけ。 すばらしいです。無駄な文がひとつもなく、檸檬を丸善の美術本売り場に置くという一点に向かってすべてが 収斂していく。病のもたらす透徹した眼…

Schema L, R

もうだんだんずうずうしくなってきているので、発表といってもハンドアウトをくばったら、その場で即興でやるのだけど、この間のラカンについてのは、かなり緊張度の高いものになった。まあ、90パーセント以上はラカン自身の知的テンションからくるものな…

On a Question Preliminary to Any Possible Treatment of Psychosis

明日発表で、まだ終わらず、しかも眠い。 フロイトのシュレーバー症例に焦点を当てながら、foreclosureの概念について論じているのだけど、本当に難しい。というか、こちらに予備知識がなさ過ぎるのか。

exam 2

いよいよ、山場だが、ぜんぜん緊張はしない。ちょっと早起きしすぎな気もするが。 ま、あせらずにやるだけです。 試験のあとは、8時からEva Illouzが来ることになっているのだけど、眠くならないかな。

やっぱりプロコフィエフ

彼の音楽には、高校生のときにピアノ協奏曲全集を聞いて世界がひっくり返るような衝撃を受けたのだけど、今でもまだひっくり返れる。聞くたびに新しいというか。伝記の類も散々読み漁ったのだけど、若いときは「基本6言語」みたいのを定めていて、常に外国…

教授に会う

来週にまた試験を受けるので、教授に会って話をした。今学期は長いトンネルのようだと話すと、you'll do fine!と励まされる。さらに、あなたのやろうとしていることは非常に重要なことだから、早く博士論文に入れるといいね、といわれて、感無量という感じに…

to Paris?

数年後に、Paris VIIの博士課程に行きたい人はいないかとのメールを受け取る。 そりゃ行きたいが、お金が問題である。ABDでも教えたりするチャンスはあるだろうか。 現在のディレクターはクリステヴァ。 今週、教授に会って話を聞いてみようと思う。

またまた、あと一週間

またまた、試験まであと一週間となったが、今度はあまり緊張しない。緩んでいる場合ではないのだけど。しかし、前回の受験から考えるところ、準備よりも、当日の集中力によるところが多いのだ。「書けない」と思った瞬間に、いかにそのブロックを突破してい…

Yeats, Wharton

Yeats, W. B. Richard J. Finneran, ed., with Jared Curtis and Ann Saddlemyer. The Tower (1928): Manuscript Materials. Ithaca, NY and London: Cornell University Press, 2007. Pp. liii + 670. $99.95 (cloth). Towheed, Shafquat, ed. The Correspo…

Silverman

3時からSilvermanの講演を聴く。リヒターの写真に見られるアナロジーの役割について。とんでもなく長い講演で、2時間半、途中休憩を挟みながら話しまくっていた。これで、来年にでるという著書の半分くらいの内容は聞いてしまったのではないか。

Benjamin

Benjaminについての論文のアウトラインを仕上げて提出。1920年代の後半のプルーストやシュルレアリスムについてのエッセイが後の彼の著作にどのような主題を提供したか。なんかまじめに書くと、50枚はいりそうだな。しかし、ドイツ語ちゃんと勉強しな…

”On a Question Preliminary to Any Possible Treatment of Psychos

うん、意外とあっという間だったな。4時間の試験。しかし、終わったら疲れた。まあ、なんとか書けたか。とりあえず、破滅しなくてよかったよ。 さて、ラカンについてのプレゼンという恐ろしいのを、二番目の試験準備と平行してやっていかなければならないの…

物語批判序説

という題のすばらしい本があるのだけれど、もはや忘れ去られて誰も口にしない。それどころか、この人の作品を読みもしないで批判するような人を最近ちらほら見かけるようになってしまった。だれかきちんとした人が、彼についての論をそろそろ書いて、再読へ…

Sense of Humor

すぐれた書き物には、どこかユーモアのセンスが漂っているものだ。自分の書く物にはそれがないなあと、ある批評を読みながら思った。なんていうか、いつも必死でギリギリ感が息苦しい感じ。読んでいて幸福にならない。

いよいよ、よよよ

朝8時に起床。あまり深く寝れていなかったようで、眠気が頭の後ろへんに残っている。9時前に出る。ちょっと早いので、歩いて大学へ。コーヒー、あまりうまくない。ティーチングの準備、で、なぜかHenry Jamesの評論を読む。モダニズムはロールプレイ! は…

雨、プルースト、ウィーバー

今日は早朝に雨が降っていたみたいで、路面がぬれていた。Teaching Classは試験だったので、先生の予習はなし。カフェでプルーストを読む。アルフォンソおじさんのところ。クラスでは、みんなが鉛筆を走らせる姿をぼんやり眺めなながら、Samuel Weberの今年…

Mr. Gould talks about why he stopped having concerts

http://www.youtube.com/watch?v=55I8uIcXOk0 自分自身に対して、鋭く反論しているあたり、まるで対位法を地でいくようだ。 バッハの音楽のように生きてしまった人。http://www.youtube.com/watch?v=KwNqLpk9sqc&NR=1 なんと純粋でひたむきな演奏だろう。作…