ブレンデル メディア論

ブレンデルのリサイタルに行ったからか分からないけど、何となく最近この人のよさが分かるようになった。まったく奇を衒わない演奏の中にも確実に自分の署名を残していく。そんな演奏。ベートーベンのソナタなどの、長めの本格的な作品を聞く時に、特によさが分かる。まあ、渋い趣味ではあるけれど。

デリーロ計画再開。
この人はとにかくメディア論をおさえておかないと始まらないということで
メディア論の基礎でありながらとんでもない奇書である

Understanding Media: The Extensions of Man (The MIT Press)

Understanding Media: The Extensions of Man (The MIT Press)

OvidからJoyce、Flaubert、Bartokなどとジャンル、時代を横断する博覧強記ぶりを発揮して、メディアの存在論の地平を現代から古代まで自在に遡りつつ論じつくす。

Digital Borderlands: Cultural Studies of Identity and Interactivity on the Internet (Digital Formations, Vol. 6)

Digital Borderlands: Cultural Studies of Identity and Interactivity on the Internet (Digital Formations, Vol. 6)

こちらは最近のすっかり常識的なレベルのカルスタ、メディア論。Internet Cultureを様々な観点から切り裁く。

Cultures of the Internet

Cultures of the Internet

これはやや古くなってしまったが、よく引用されるインターネット論。身体、精神分析、監視社会など。

On the Internet (Thinking in Action)

On the Internet (Thinking in Action)

これはまだリクエスト中だけど、著名なハイデガー学者によるインターネット論とくれば、やはり主体性をめぐる問題系を論じているのだろう。このThinking in Actionシリーズは装丁はかっこよいんだけど、中身はなんかイマイチなことが多くて、ジジェクもミラーも彼らの著作のうちで最低のものをこのシリーズから出していたように思う。まあ大学の教科書としても使えるように、あんまり突っ込んだ議論は遠慮しているのかもしれないけど。