Wharton, Sartre

最近、日記を更新するのがちょっと滞り気味。でも研究にincentiveを与える意味でもなるべく書いていきたい。まず、週末にWhartonのHouse of Mirth読了。大傑作。なぜ同時代のドライサーの『シスターキャリー』の方が、この作品よりよく知られているかがよく分からない。もし学部時代に読んでいたらWharton研究者を目指していたかもしれない。ナチュラリズムとリアリズムとモダニズムが複雑に同居しているような小説で、とりわけ「汽車」に代表される技術の表象と人物間の関係のより合わせ方が面白かった。

Elaine Showalterなど、いくつか論文も読んでみたけど、どれも高い水準で、やはりWharton研究者たちはなかなか信頼置けると思った。ただし、どうしても文化表象論とかフェミニズムが多くなってしまうのが、ちょっと趣味に合わないけども。

SartreのHuis Clos。これは、実存主義演劇独特の難解さがあるんだけど、今の僕にはまったくタイプではなくなってしまった。高校生から学部1,2年くらいまでは人並みに『嘔吐』や『存在と無』に感動していたんだけど。ついでに『ヒューマニズムとは何か』もパラパラめくってみたけど、これはいただけないと思った。新しいパラダイムで読み直す可能性にあまり開かれていないような気がする。サルトル研究者は面白い観点を見出すことが出来るのかもしれないけど。