Waste Land

Eliotの小論文書きで、一日半くらいかける。最近の論文の中では、
Suárez, Juan A. “T.S.Eliot’s The Waste Land, the Gramophone, and the Modernist Discourse Network.” New Literary History 32 (2001), 747-768.
が、特に面白かった。ちょっとデリダ的発想で、音の現前の形而上学的な構成から距離をとっている。グラモフォンの発明は、音を身体から切り離すことで、音の発生と音を聞くという行為の質的、時間的差異を明確にした。あるいはそれは、声の帰属を曖昧なものにした。waste landの音はすべて引用されたもので、たえざる現前の差異化を表象している。詩の中でタイピストがかけるグラモフォンは、アレゴリー的に書く行為の不断の差異化を表現しているので、Eliotはいわばグラモフォンをmimicしたのだ、という主張。文学における直接性、間接性の問題をうまく処理していて、読ませます。

自分の論文はやっつけで、全く読めたものではないけど、ともかく期限どおり提出。
午後、日本文学が休講。帰宅して2,3時間ドイツ語と格闘するが、眠くなって集中力がなくなった。
明日も長い一日なのでいつもより少し早く就寝。