Rain tree

「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち (新潮文庫)

「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち (新潮文庫)

再読。ちょっと大江ブームが止まらなくなってきた。
この作品は、武満徹の楽曲にインスパイアされた大江が「あたまのいい「雨の木」」を書き、それにインスパイアされた武満が「雨の木」を書き、さらにその楽曲を聴いている場面を盛り込んだ「「雨の木」を聴く女たち」が書かれ、というように次々に幸福な連鎖が起きた作品。最近読んでいたコギト三部作と比べると、フィクション色がやや強く、文学からの引用は少ない。フォークナーのGrief、またマルカム・カウリーのアル中などは出てくるけど。
高安カッチャンが道化のような活躍を見せる。