春学期をひかえ

 来週に春学期をひかえて、なるべく何もしないで休息を取ることにした。今週末は3日ほど遊ぶので、新学期の最初の授業の準備とかそういうことはしなきゃいけないけど、もうこの冬休みに新しいことはしない。で、ふりかえってみると、思ったよりも大江に執着し、語学に時間をさけなかったけど、まあそれはそれで色々得るところはあったと思う。ずっと前から手元にあった、論文は一つ出した。
 これでいろいろ借りていた本も返せるので、すっきり。やっぱり本は借りたほうが、買うよりいい。日本にいたときは、本の数ページ読むために泣く泣く4000円の本とか買ったりしていたけど、作家ごとの研究書なんてそうそう読み返したりしないんだから、そんなお金があるなら、フレンチでも食べたい。ハスミ大先生が、かつて文芸時評を書き終えた後に本をすてる事の快感についてどこかで書いていたけど、それはとてもよく分かる。僕も物質としての本へのフェチみたいなのは割と薄いから。だけど貧乏性のせいで、せっかく買った本を捨てたりするのは心苦しくて、引越しのときくらいしか出来ない。アマゾンで古本に出すといい値段で売れるので、これはとてもよかったけど、梱包とか結構面倒くさかった。吉田健一が本なんて100冊もあれば十分とどこかで書いていて、これは彼が書くととてもダンディーなのだけど、たぶん、彼の超人的な記憶力のよさと関係があったのだろう。しかしまあ、現代ではどうしても必要な本は必要になってから探しても大抵遅くはないのだから、家にそんなにため込まなくてもいいと思う。というか、どんなに家にためこんだところで、研究に使うには、そんな量はたかが知れているのだ。そんなこんなで、僕にとっては、アメリカの大学の無制限に借りられて、(リクエストが出ていない限り)無限に延長できるシステムはとても便利だ。200冊くらいは借りていると思う。
 来週からまたノンストップ・ジェットコースターのような4ヶ月。僕のとっているクラスの一つを受け持つ教授は、これが最後のセメスターだ。彼からどんなことを学べるだろうか。