writing of disaster
The Writing of the Disaster: L'Ecriture Du Desastre
- 作者: Maurice Blanchot,Ann Smock
- 出版社/メーカー: Univ of Nebraska Pr
- 発売日: 1995/05/01
- メディア: ペーパーバック
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ブランショ、何年ぶりだろう。災厄、沈黙、受動性、責任、「現在」、他者、距離などをキータームに断片的な思考が延々と連ねられる。ブランショの『文学空間』にいかれるなんて馬鹿だ、と言っていた批評家がいたけど、うん、確かにね。ブランショを読むのは知的というより情動的な経験だ。ほとんど目頭が熱くなるような瞬間さえある。
現在に続く、現代思想のBartlebyへの参照の端緒を作った書物でもある。
友人のピアニスト(「の卵」と本人は謙遜するだろうが)のリサイタルへ。
素晴らしい水準で、現代のピアニストに求められる技術力の高さにちょっと眩暈がした。
バックハウスやホロヴィッツの頃のプロの技術力とは格段に違うのだ。
文学研究の技術的な水準というのはどうなんだろうか?もちろん30年くらい前の論文を読むとあまりにヒューマニスト的に牧歌的で微笑んでしまうこともあるから平均的な水準は上がっているような気がするけど、一流の水準では落ちてきているんではないか?特にアメリカでは各論がおおくて、超人的なジェネラリストがいないような気がする。