浅田彰

昨日、ちょっとふれた浅田彰の比喩はこの本に。

ヘルメスの音楽 (ちくま学芸文庫)

ヘルメスの音楽 (ちくま学芸文庫)

はじめて彼の文章に触れたのは、高校2年生くらいの時に解いたZ会の現代国語の問題集。もちろん、問題集のなかの文章なんてすぐに忘れてしまうのが普通なんだけど、彼のだけは浮き立って見えた。それはベーコンの絵についての文章だったけど、ドゥルーズも出てきたと思う。問題集の文章というのは、馬鹿にできなくて、結構、僕は啓蒙された。構造主義なんかも入試の勉強をしながらよく出てきたので、暇な時間をみつけては入門書を借りてよく読んだ。おかげで早稲田の小論文では、読んだばかりのフーコーを引用したりした。もちろん、持ち込み不可だから間違いもあったと思うけど、高校生のときは記憶力がよかったなあと思う。
 話はそれたけど、この本を読んだ時はとても興奮した。アルゲリッチポリーニなどを聞きながら考えていたことが、この上なくブリリアントに表現されていたからだ。僕が大学生になった時はとっくにニューアカブームなんて終わっていたけど、ずいぶんうらやましく思った。世紀転換期の大学は、不況だったこともあるけど、なんとなくうら寂しい感じがしたものだ。すべての経験から疎外されているような。


今日は、ドイツ語作文の直し。先生からチェックしてもらった箇所を直すんだけど、ああ、ひどい。あんなに苦労して書いたのに、こんなに間違いがある。やはり、ドイツ語は、やさしいものはなんとか読めます、といったレベルで満足すべきなのだろうか。自分が発信することが出来るようになるまでには相当、遠そう。

一方でフランス語は、ゴリオ爺さんを後半に向けて加速度を増しながら読了できて、とにかく、普通の小説なら読み通せる力があることが分かった。まあ、筋を知っていたのが大きいし、そもそもこの小説は割と単純なんだけど(もちろん単純さの魅力があるのだ)。ディスカッションも何とかフランス語でできた。英語でもうまくできないのに、なんでフランス語でできるかというと、アメリカ人にとってもフランス語は外国語なので、みんなゆっくりしゃべるから。

Illouzのreviewは、ああ失敗作、と思ったんだけど、教授の評価が意外なことによく、今日授業が終わった後で、「これ、作者に送るからメールに添付して送って」と言われた。こんな間違いだらけのもの、恥ずかしくて送れないので、今週末に時間をもらって書き直すことにしよう。

今日はこれからドイツ語の宿題とフランス語のリーディング。今度はボードレール。実はボードレール、学部の時もフランス語で読んだんだけど、各行に分からない単語が出てくるくらい難しかったような。すこしは読めるようになっているといいけど。