Sontag

夏休みになったと思ったら風邪をひき、ちょっとさえない日々。
とりあえず週の初めころまでは書類書きに忙殺され、そのあとは

Regarding the Pain of Others

Regarding the Pain of Others

について。実にまっすぐで真摯な写真と暴力論。言われていることは特に目新しいことではないが、彼女の行動を伴った主張のあり方にはうたれる。写真がその最初期から暴力を移す機械としての役割を果たしていたこと(クリミア戦争)。スペイン市民戦争における写真家の役割。キャパ。ヴェトナム。それから日本への言及も多かった。ヒロシマナガサキ、ミナマタ、など。暴力の被害にあっているものが、現在ではむしろ写真の被写体にすすんでなって、世界に自分たちの惨状を伝えてもらおうとすることなど、経験に基づいた記述が力強い。
On Touching―Jean-Luc Nancy (Meridian: Crossing Aesthetics)

On Touching―Jean-Luc Nancy (Meridian: Crossing Aesthetics)

これが、なんとも難物。前期デリダのロジカルな難解さとも、中期デリダの遊戯的な難解さ(?)とも、違った、なんとも厚みのある議論展開で、細かい議論は理解できても、どうしてそのように議論が配置されていかなければならないのかが不確かな感じ。Jean Luc Nancyをもうちょっと読み込んでから出ないと、分からないかもしれない。
ある女のグリンプス (1979年)

ある女のグリンプス (1979年)

これは、イェールのあるNew Havenを舞台にしているんだけど、やはり純粋に小説として読めない。どうしても主人公の夫が、作者の夫と重なってしまうのだ。しかし、思ったよりも読めた。


Alternative radioというかなりラディカルなラジオがあって、Tarig AliとかChomskyとかが出てきてガンガン議論する。これがローカルラジオのプログラムに組み込まれていて、家にいるときは結構ラジオをつけっぱなしにして聞き流していることが多いんだけど、これが始まると、引き込まれてしまう。一年位前には、車を運転している時にパッとつけたらラシュディがしゃべっていて、その手軽な感じにびっくりした。
http://www.alternativeradio.org/