ぷろれたりあ

佐川光晴「われらの時代」と津村記久子の芥川受賞作を読む。おお、ほんとに時代はプロレタリアだよ。蟹工船が売れるわけだ。読みながら体に棘がささってくるような感じがした。僕も論文かけないとか、贅沢なこと言っている場合じゃない。しかし、蟹工船があれほど売れるなら、文芸誌も売れてよさそうだけど。純文学も、こぎれいでサロン的な書店でイベントを開くだけでなく、それこそ工場に行って朗読会を開いて一冊500円で売るとか、運動すべきなのでは。少なくとも、作品は、仕事で息が詰まって希望を見出せないでいるような人にこそ、読まれることを欲している。大学の先生や批評家にではなく。そうか、でも経営者がそれを許さないよなあ。