リスト

Liszt: Pno Sonata in B Minor Hungarian Rhapsody No

Liszt: Pno Sonata in B Minor Hungarian Rhapsody No

リストの唯一のピアノソナタ(1853年) シューマンに献呈されているが
構成はきわめて複雑かつ精緻で、これ一曲でソナタの歴史を大きく塗り替えてしまったとされている。大きく4楽章からなっているが、切れ目はない。曲は非常に少ない動機によって構成されていて、変奏曲形式に似ているところもある。同一の動機でつくられた節があまりにも印象を変えた姿で現れてくるので、その度に新鮮な息吹が曲に吹き込まれるような感じ。沈黙と饒舌、緩やかさと突発性などが豊かに織り込まれている。高温から低音に降りてくる急展開のアルペジオの多用は圧倒的で、なにか不可避な力によって落下しているようなそんな不安な気持ちにさせられる。

序盤、アルペジオの展開でやや低音がくぐもった音がするのは録音のせいか。主題に至るまでの緩急の付け方、ダイナミズムはさすが。主題はポリーニ版と比べるとだいぶゆったりときかせる。しかし速い部分の弾き方がやや雑な感じを受けた。ブレンデルポリーニに軍配。