Understanding Media
Eva Illouz読了。最初の30ページくらいは物足りなくて、放り出したくあったけど、後半にいたって徐々に面白くなっていった。一章は、メディアによる精神分析用語の大衆化と、そのアメリカ文化全般への影響。二章はアメリカの伝統的なself-relianceの言説が、ヴェトナム戦争以降、トラウマの乗り越えによる真の自己の獲得の物語へと継承された様子を描き出す。3章はインターネット・ラブにおいて、身体性の欠如が「自己紹介」の言説によって補填されている様子。genderは次第にliteracyの問題に置き換えられつつある。つまり、女のように話すネット住人はvirtualに女である。
が、やはり物足りない。論ずるにあたって、やはりマクルーハンとの対比で行くしかないな、と。とくにクールメディアとホットメディアのところ。
Understanding Mediaは永遠の名著ですが、
http://cultofjim.com/scripture/understanding_media/
信じられないことにフルテキストがオンラインで読めます。
1964年出版。
マクルーハンのストーリーテリングのうまさと、視点の確かさは、やはり尋常ではない。
格が違う。
手持ちの図書館から借りた本は埃っぽくてくしゃみが出そうになるし、ペーパーバック
の表紙もクールなのでそろそろ買うかな。
Understanding Media (Routledge Classics)
- 作者: Marshall McLuhan
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2001/05/18
- メディア: ペーパーバック
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そういえば、昔バンドをしていたとき、ギターがやたらと「熱い」という形容詞をcoolという意味でつかった。「このリフ熱いな」とか、「この授業マジで熱い」ってのもあった。まあ、スタジオはクーラーがなくって、とんでもなくホットだったわけで、他のメンバーも「あちー」「あちー」いいながら練習していたわけだけど。
最後に自分へのメモ。cool,hotはイギリスのロマン派詩人の作品を読むのに重要な概念だと思う。とくにキーツ。ま、だれか書いていると思うけど。