狼男とともに

デリダのforsを読むのに、たっぷり二日かかった。が、ともかく読了。非常に難解でした。
フロイトの狼男分析にもどって、読み込まない限りは始まらない感じ。トロック=アブラハムにも入っていかないと。発表原稿を作ろうと思っていたんだけど、とりあえず読み通すのがやっとという感じで、久しぶりにきつい読書だった。たぶん、どの言語で読んでも難解さは減らないだろう。アントロジェクシオンとアンコルポラシオンという死にたいする二つの心的エコノミーについて。アンコルポラシオンが死を生きた他者として自己の内部へと取り込むときに、「自己」とは隔たりをつくるのだけど、そのことによってメランコリー的な持続は他者と自己を切り分け続けることになる。一方で、アントロジェクシオンは、アンコルポラシオンを条件付ける契機で、逆説的だが、より他者へと開かれているとか。原文では30ページ目くらいだったが、とりあえず理解できたと思われる部分。後半では、言語の問題へとうつっていく。forがフランス語・英語にまたがる記号として機能するとか、この辺はジョイス論のwarにおけるドイツ語・英語の決定不能性と同じ問題。4月に読み直してからまとめなくてはいけない。

デリダのせいではないと思うけど、やや体調不良なので、あとは語学をたり夏休みのリーディングリストをつくって、春休み後半を過ごそうと思う。休み明けにドイツ語の試験があるし。