Candace Waid

Edith Wharton's Letters from the Underworld: Fictions of Women and Writing

Edith Wharton's Letters from the Underworld: Fictions of Women and Writing

以前ざっと読んでいたものを再読。いやはや、smartなんてもんじゃなく、この人は狂気の領域に入り込んでいるくらいにやばい。英語の文章から殺気を感じます。最近はFaulkner研究に重心が移っているようで、去年のFaulkner JournalにAs I Lay Dying論が出ているのだけど、議論が冴えまくっている。日本の学界ではいまだに「理論か精読か」みたいな不毛な議論をやっていることが多いのだけど、そういう人はこの研究者のような迫力に満ちたテキストを読んでいないのだよ、きっと。明らかに90年代以降のアメリカでは、それまでの水準を大きく乗り越えるような文学研究をするような秀才がどんどん出てきているのだけど、「〜イズム」というような名で呼びうるような潮流をなしていないがために、なかなか目立ちづらいし、当然翻訳もされない。UC Santa Barbaraにいるみたい。この学校にいるAlan Liuもイギリスロマン主義についての仕事はほんとに迫力があったので、ここはなかなかいい大学だ。